ふるさと納税の理念って何?

Last update. 2017年1月19日
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2008年に始まったふるさと納税ですが、運用が開始されると住民税控除や返礼品など寄付者に対して大きなメリットが得られることから、寄附金額が右肩あがりで伸びています。

1から学び直す。「ふるさと納税」で得られる3つのメリットとは?

寄付者に大きなメリットが得られることで、各自治体でもらえる返礼品について競争が激化しています。
ふるさと納税をうまく利用し税収を大きく伸ばす自治体がある一方で、制度を活用できずほとんど恩恵を得られていない自治体とで格差が生じるといった問題が発生しています。
また本来、居住している自治体への税収が減ることによる住民サービスの低下といった事態になっている自治体もあります。

これらの問題については、今後制度改正などにより少しずつ是正される可能性があるでしょう。

こういった問題点を孕んだ制度でありますが、そもそも「ふるさと納税の理念」についてご存知でしょうか?
制度のあり方を考える前に、まずはその理念について、まずは意識したいと思います。

ふるさと納税の3つの意義

ふるさと納税は総務省(自治税務局)管轄のもと、運用されています。

総務省のホームページを確認すると、ふるさと納税の理念について以下のように記載されています。

ふるさと納税で『地方創生』

引用:総務省|ふるさと納税ポータルサイト|ふるさと納税で地方創生

地方で生まれ成人するまでお世話になった地方から都市へと引っ越した人達に、改めて「ふるさと」に何かしたいと思う人達に「納税」と形で恩返ししてくださいといった思いから「ふるさと納税」が導入されています。

私自身も生まれ育った町は大好きですが、現在は都会で生活をしています。

そういった立場から、人口が減り元気がなくなってきている故郷に貢献できる機会があるというのはとても助かります。
生まれ故郷に貢献するということは、そこで住んでいる家族や友達に対しても協力できるというのも嬉しいですね。

ふるさと納税は『地方創生』のもと、大きく3つの意義を定義しています。

「税」に対する意識向上

政治といった自分達の生活に大きく関わることでありながら、個人の関心事として意識がかなり低い事柄があります。

「税」についてもその一つに挙げられます。

個人事業主やフリーランスなど確定申告を自分で行っている人は、税金について嫌でも意識させられるのでわりと意識は高いかもしれません。
しかし、一般的に見れば「税金」について細かく意識する人は少ないのではないでしょうか。

自分が稼いだ給与から引かれている税金なのに、その制度について知らないというのは大きな問題です。
そういった問題を解消するために、「税」について改めて考えてもらうということを意義の1つとしています。

支援したい地域への自発支援

生まれ故郷、お世話になった地域、これから支援したい地域の力になれます。

生まれ育った田舎や長年お世話になった地域に恩返ししたいと思う人は多いはずです。
「ふるさと納税」では、自分が支援したいと思う地域に対し自分で選択した上で納税できます。

自治体の歳入に協力することで、その地域に住んでいる人たちに自分たちの変わりに頑張ってもらえるのはとても助かります。

少し話はズレますが、ふるさと納税で寄附する際に返礼品や住民税ばかりに意識が行く人が多いと思います。
しかし、それと同時に自分が支援する自治体がどういった地域なのかを調べるきっかけとなれば良いのではないでしょうか。

最近では、地震など自然災害で被害を受けた地域に対して、「ふるさと納税」で寄附を募集するサービスなども出てきました。
寄附やボランティアは無心でやるべきという意見もあるかと思いますが、どういった形であれ被害地域への支援することが大切だと考えます。

自治体の自助努力強化

各自治体の競争力を高めさせるということを定義しています。

自治体が自分たちの取り組みをアピールすることで、国民の理解を得て「ふるさと納税」で協力してもらえるように自力をつけてくださいということです。

今年は、地方の政務活動費の不正のニュースが目立ちましたが、こういった納税したお金が不正に使われるなんてもってのほかですし、寄附する側も寄付したお金が適当に使われる自治体に納税したいと思いません。

しっかりと自分たちの取り組みを発信し、その取り組みに対し支援してもらえる力をつけるというのは、これから地方分権に進んでいく将来を見据えた上でとても重要な案件です。

資本主義社会のもと、一般企業のように各自治体が競争力を身につけることが難しいですが、少なからず自治体が自分達の置かれている状況を理解した上で、どういった取り組みができるか、国民に共感が得られるかということは、厳しき競争の中で得られていくことではないでしょうか。

ふるさとの理念を意識することが大事

「ふるさと納税」に問題があるのは冒頭で記載したとおりです。

自分たちが制度を考えたわけではないし、是正するのも私達の仕事ではありません。
しかし、全員が自分のメリットばかりに注目して強引な活用ばかりしていると、制度そのものが無くなりかねません。

「どうしてそういった制度ができたのか」「制度にどういった問題をはらんでいるのか」
といったことを寄附する際に少しでも気にすることで、ちょっとした意識改革から初めてみるのはいかがでしょうか?

ふるさと納税の理念は、現在の地方における問題のもと生まれた制度です。

この理念のもと、少しずつでも自分の大好きな故郷がもつ問題が解消されていけば良いと思っています。

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