1から学び直す。「ふるさと納税」で得られる3つのメリットとは?

1から学び直す。「ふるさと納税」で得られる3つのメリットとは?

最近では、テレビや雑誌などで度々目にするようになった「ふるさと納税」。

ふるさ納税とは、所得税、住民税、市民税といったよく知られる税金とは異なり、自分が好きな市区町村に好きな金額だけお金を寄付する制度です。

この制度は2008年に施行されました。

2008年の寄附金額が72億円だったのに対し、2016年には341億円と実に500%も寄附金が増加しています。

2016年はさらなる寄付金が集まることが予想されています。

なぜ、このように右肩あがりの伸び率を示しているかというと、納税者(寄付者)に主に3つのメリットがあるためです。

  • 特典1:還元率30%前後の商品がもらえる(特産品の返礼)
  • 特典2:お金が戻ってくる(還付金/所得税の控除)
  • 特典3:税金が安くなる(住民税控除)

多くの人は、これら3つのメリット得るために、積極的に「ふるさと納税」を活用しています。

これだけでも絶対活用したい制度なのですが、2015年の税制改正により受けられる恩恵の幅がさらに広がりました。

  • 制度改正1:税金から控除される金額が2倍になった
  • 制度改正2:会社員(給与所得者)は面倒な手続きがなくなった

これらの税制改正については、以下のページで説明しているので、ご覧ください。
2015年の制度改正で何が変わった?

2016年になると、ふるさと納税のポータルサイトをPRしたテレビCMも流れ、雑誌、ネットなどでもふるさと納税の特有を組んだ記事が数多く公開され露出が高まりました。

今まで「ふるさと納税」を知らなかった層に広がりを見せ、さらなる寄付金が集まることが予想されています。

こんなお得な制度なんて知らなかった・・・
なんて後悔しないように「ふるさと納税」について1から学んでいきましょう。

「ふるさと納税」は義務ではないので、知った上でメリットが感じられないようでしたら、そのままスルーしてしまえば良いだけです。

「ふるさと納税」の3つの特典を中心に3分程度で読める記事に纏めてみましたので、ぜひご覧ください。

特典1:還元率30%前後の商品がもらえる(特産品の返礼)

ふるさと納税でもらえる返礼品のイメージ画像
各地方自治体では、寄付してくれた皆さんのために特典として各自治体が用意した返礼品がもらえます。

返礼品でもっとも多いのが、お米やお肉、野菜や海産物などのその土地ならではの特産品です。

また、地方の特性を活かした体験イベントや施設のチケット、花火大会などの期間限定のイベント招待などもあります。

その他、商品券や家電製品であったりと地方に直接関係ない商品などもあり、各地方がオリジナリティにあふれる返礼品を準備しています。

過去には還元率が100%を超える特産品もあった

故郷に恩返しであったり、好きな町へ何か協力したいという信念をもった人であれば還元率はあまり気にならないかもしれません。

ただ特産品目当ての人であれば、気になるのは還元率ではないでしょうか。

過去には、寄附金を集めるために各自治体で過剰な競争が発生し、A5ランクのブランド牛などが還元率100%といった返礼品もありました。

ただ、流石に過熱しすぎた自治体間の競争に歯止めをかけるために、2017年の4月に総務省より各自治体に返礼品の還元率を30%以内に抑えるように要望(※強制ではない)がありました。
こうした要望に応える形で、各自治体は還元率を徐々に引き下げ、いまでは多くの返礼品が還元率30%前後となっています。

ふるさと納税が抱える問題について

ふるさと納税が抱える問題についてお話する前に、「「ふるさと納税」に力を入れている地方自治体がなぜ多いのか」ということについて説明します。

まず返礼品ですが、各地方自治体は主に地元企業・生産者から買い取ったものです。

自治体が買い取ってくれることで、地元産業は活性化します。

自治体はこれらの返礼品を積極的にアピールし、全国民に自分たちの自治体に寄付してくれるようアピールします。

魅力的な返礼品を求めて、多くの人は縁もゆかりもなかった市区町村に積極的に寄付を行うようになります。

寄付を受け取った地方自治体は、それらを財源をもとに住民サービスの向上であったりさらなる地域活性化の施策をうつことができます。

2014年には、長崎県平戸市への寄付金額で10億円を突破したと発表しました。

長崎県平戸市は、人口3.6万人と小さな市です。

その小さな都市が、これだけの寄付金を集めたことは、大きなニュースとなりました。

地方自治体にも大きなメリットがあることがご理解いただけましたでしょうか。

しかし、一方でデメリットもあげられます。

返礼品の提供企業から外れてしまった場合、自治体から購入してもらうというメリットを得ることができません。

また、平戸市のような成功事例ができたことで、他の地方自治体も追いつけ追い越せの精神で競争が激化しています。

魅力的な返礼品が準備できない自治体は、置いてけぼりになってしまいます。

また、後述の税制優遇などにより、都心を中心に本来税金で得られる歳入が減ってしまった地域も出てきました。

「ふるさと納税」による「税源流出30億円」に直面して

こうした問題から、「ふるさと納税」に対して厳しい見方もでています。

ふるさと納税ブームに潜む地方衰退の「罠」 | 地方創生のリアル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

行き過ぎた「ふるさと納税」には、こうした問題も含まれているということを理解しておくと良いでしょう。

ただ、実際にふるさと納税で人口増加や地域振興に成功している自治体も出てきています。
ふるさと納税で寄附して終わりというだけでなく、ふるさと納税をする私達とそれを運営する自治体が寄附金の有効な使い道を考えていくことが、本当の地域支援であり最も重要なことだと知っておくべきです。

特典2:お金が戻ってくる(還付金/所得税の控除)

ふるさと納税で所得税控除

ふるさと納税では、返礼品の他に税制での優遇も期待できます。

大きくは後述する住民税の控除と還付金として手元にお金が戻ってくる所得税の控除です。

所得税(※1)ですが、所得(収入から給与所得控除など控除を引いた金額)から、法律で定められた税率をかけて算出されます。

ふるさと納税で得られる所得税控除は、以下の計算で算出できます。

(ふるさと納税額-2,000円)×「所得税の税率(※2)」

なお、平成49年中の寄附までは、所得税率は復興特別所得税(※3)分も、控除の対象となります。

(ふるさと納税額-2,000円)×「所得税の税率」× 0.21%

また、この控除金額には総所得金額等の40%が上限となっています。

※1・・・所得税のしくみ|税について調べる|国税庁
※2・・・No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁
※3・・・復興特別税 – Wikipedia

ここで差出された控除金額は、翌年の3月に指定口座に振り込まれます。

例えば、50,000円を寄付した場合、4900円が所得控除として還付されます。

所得控除分:(50,000円 – 2,000円 )× 10% = 4800円
復興特別所得控除分:4800円 × 2.1% = 100円
合計の控除金額:4800+100 = 5000円

寄付金の10%のお金が戻ってきたことになります。

お寿司や焼肉などちょっと贅沢な食事をしたくなる金額だと思いませんか?

なお、自分の控除額がいくらになるか知りたい方は、以下のサイトで控除のシミュレーションができます。
控除シミュレーション

年収など必要項目をいくつか入力するだけで計算してくれるので、計算式とかどうでも良いという方は一度お試しください。

特典3:税金が安くなる(住民税控除)

ふるさと納税で住民税の控除

返礼品や還付金の場合は、商品やお金が手元に届くので、メリットを感じやすいと思います。

しかし、返礼品と同じ、またはそれ以上のメリットとなるのが住民税の控除です。

給料から天引きしてもらっている人は、住民税をあまり意識することはないかもしれません。

しかし実際には皆さんはかなりの金額を納めているはずです。

細かい計算式等については、参照ページをご覧ください。

住民税とは? 計算方法と納付方法 [税金] All About

一度は調べたことある人であれば、その額に愕然としてしまったのではないでしょうか。

絶対に必要なものとはいえ、「納税」に嫌悪感を示す人が出るのも当然ではないでしょうか。

しかし、ふるさと納税を利用すれば、これらの税金を下げることができるのです。

ふるさと納税を、50,000円の寄付で48,000円の税控除の恩恵を受けるといったことも可能なのです。

48,000円の控除のなかには、前述で説明した所得控除のほかに、住民税の控除が含まれています。

4,900円の所得控除だったので、住民税控除が残りの43,100円が住民税控除ということになります。

なぜ43,100円の住民税控除は、2つの控除から構成されています。

基礎控除について

2つの控除のうち、1つは基礎控除です。

基礎控除はシンプルな計算で算出です。

(ふるさと納税額-2,000円)× 住民税率(10%)

住民税からの控除の基礎控除は、上記の計算式で決定します。
なお、控除の対象となるふるさと納税額は、総所得金額等の30%が上限です。

特例控除について

特例控除には2つのパターンがあります。

住民税からの特例分は、住民税所得割額によって計算が変わります。

住民所得割額 = (前年の所得額 - 所得控除額) × 10% - 税額控除額

所得額とは、給与や副業等で得られた収入から必要経費を差し引いたものです。
所得控除額は、基礎控除33万円、扶養控除33万円~45万円、社会保険料や生命保険料、医療費控除などの合計によって決まります。

特例分は、この住民税所得割額の2割を超えない場合、以下の計算式が適用されます。

(ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率)

逆に、特例分が住民税所得割額の2割を超える場合は、下記の計算式が適用されます。

住民税からの控除(特例分) = (住民税所得割額)×20%

この場合、所得税控除、住民税の基礎控除及び特例控除の3つの控除を合計しても(ふるさと納税額-2,000円)の全額が控除されず、実質の自己負担額は2,000円を超えます。

なお、実際の控除額がいくらになるか知りたい方は、お住まいの市区町村にお問い合わせしてください。

ふるさと納税における所得税控除+住民税控除の例

引用元:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/mechanism/deduction.html

全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安

前述のような計算式面倒という方は、下記表を見ながら自分(達)の収入および家族構成に照らし合わせてみることで、全額控除される納税額の目安を調べてみると良いでしょう。

※掲載している表には、制度改正によって、平成27年から拡充された控除額上限が反映されています。平成26年までの目安とは異なりますので、ご注意ください。
※掲載している表は、住宅ローン控除や医療費控除等、他の控除を受けていない給与所得者のケースとなります。年金収入のみの方や事業者の方、住宅ローン控除や医療費控除等、他の控除を受けている給与所得者の方の控除額上限は表とは異なりますのでご注意ください。
※社会保険料控除額について、給与収入の15%と仮定しています。
※掲載している表はあくまで目安です。具体的な計算はお住まい(ふるさと納税翌年1月1日時点)の市区町村にお問い合わせください

ふるさと納税を行う方本人の給与収入 ふるさと納税を行う方の家族構成
独身又は共働き※1 夫婦※2又は共働き+子1人(高校生※3 共働き+子1人(大学生※3 夫婦+子1人(高校生) 共働き+子2人(大学生と高校生) 夫婦+子2人(大学生と高校生)
300万円 28,000円 19,000円 15,000円 11,000円 7,000円
325万円 31,000円 23,000円 18,000円 14,000円 10,000円 3,000円
350万円 34,000円 26,000円 22,000円 18,000円 13,000円 5,000円
375万円 38,000円 29,000円 25,000円 21,000円 17,000円 8,000円
400万円 42,000円 33,000円 29,000円 25,000円 21,000円 12,000円
425万円 45,000円 37,000円 33,000円 29,000円 24,000円 16,000円
450万円 52,000円 41,000円 37,000円 33,000円 28,000円 20,000円
475万円 56,000円 45,000円 40,000円 36,000円 32,000円 24,000円
500万円 61,000円 49,000円 44,000円 40,000円 36,000円 28,000円
525万円 65,000円 56,000円 49,000円 44,000円 40,000円 31,000円
550万円 69,000円 60,000円 57,000円 48,000円 44,000円 35,000円
575万円 73,000円 64,000円 61,000円 56,000円 48,000円 39,000円
600万円 77,000円 69,000円 66,000円 60,000円 57,000円 43,000円
625万円 81,000円 73,000円 70,000円 64,000円 61,000円 48,000円
650万円 97,000円 77,000円 74,000円 68,000円 65,000円 53,000円
675万円 102,000円 81,000円 78,000円 73,000円 70,000円 62,000円
700万円 108,000円 86,000円 83,000円 78,000円 75,000円 66,000円
725万円 113,000円 104,000円 88,000円 82,000円 79,000円 71,000円
750万円 118,000円 109,000円 106,000円 87,000円 84,000円 76,000円
775万円 124,000円 114,000円 111,000円 105,000円 89,000円 80,000円
800万円 129,000円 120,000円 116,000円 110,000円 107,000円 85,000円
825万円 135,000円 125,000円 122,000円 116,000円 112,000円 90,000円
850万円 140,000円 131,000円 127,000円 121,000円 118,000円 108,000円
875万円 145,000円 136,000円 132,000円 126,000円 123,000円 113,000円
900万円 151,000円 141,000円 138,000円 132,000円 128,000円 119,000円
925万円 157,000円 148,000円 144,000円 138,000円 135,000円 125,000円
950万円 163,000円 154,000円 150,000円 144,000円 141,000円 131,000円
975万円 170,000円 160,000円 157,000円 151,000円 147,000円 138,000円
1000万円 176,000円 166,000円 163,000円 157,000円 153,000円 144,000円
※1
「共働き」は、ふるさと納税を行う方本人が配偶者(特別)控除の適用を受けていないケースを指します。(配偶者の給与収入が141万円以上の場合)
※2
「夫婦」は、ふるさと納税を行う方の配偶者に収入がないケースを指します。(ふるさと納税を行う方本人が配偶者控除を受けている場合)
※3
「高校生」は「16歳から18歳の扶養親族」を、「大学生」は「19歳から22歳の特定扶養親族」を指します。
※4
中学生以下の子供は(控除額に影響がないため)、計算に入れる必要はありません。
例えば、「夫婦子1人(小学生)」は、「夫婦」と同額になります。また、「夫婦子2人(高校生と中学生)」は、「夫婦子1人(高校生)」と同額になります。

引用元:総務省|ふるさと納税ポータルサイト|ふるさと納税のしくみ|税金の控除について

いかがでしたでしょうか?

ふるさと納税がとても魅力的な制度だということが少しでもお分かり頂けたでしょうか?

まだまだ歴史は浅い制度ですが、ぜひ有効活用することでメリットを教示してください。

なお、ふるさと納税に関するQ&Aを下記のページにてまとめています。
ふるさと納税についてもっと知ろう!よくある質問をまとめてみました – はじめてのふるさと納税

ちょっとした疑問などを纏めていますので、こちらも一読してみてください。

初めてのふるさと納税

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最終更新日:2017年12月12日